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2001年1月掲載分 |
??????ここが知りたい?????? | |
その1:治療した歯はどのくらい持つの? | |
治療が終わるとき,患者さんによく尋ねられます。 「先生に治してもらったところ,どのくらい持ちますかねえ?」 治療後,二度と病気にかからなくてすむ治療法は,残念ながら現在のところはありません。病気が再発しないようにするためには,お口の状態を清潔に保つことと,治療後のメインテナンス(病状の安定を維持するための定期的な治療)が必要なのです。 そのため,治療と並行して日常生活における予防についてご指導したり,定期検診の重要性を機会あるごとにお話ししているつもりなのですが,このような質問を受けること自体,なかなか伝わっていない証拠でしょうか。 治療が終われば,よほど痛くなったり困ったりしない限り,ついつい歯科医院から足が遠のいてしまいがちですが,長持ちを左右するのは日頃の歯磨き養生と歯科医院でのメインテナンスです。 患者さんと歯科医師の二人三脚の努力で,病気の再発を防ぎ,修復物を長持ちさせたいものですね。 |
その2:キシリトールって本当に歯にいいの? |
キシリトールは,フルーツ(いちご類)や野菜,白樺の樹液等から抽出される天然の甘味料です。 むし歯予防効果については,従来の代用糖のように歯を溶かす酸を作らないだけにとどまらず,むし歯菌の活性を抑え,しかも歯垢の中のむし歯菌にも働いて歯垢をはがれやすくするなどの効果がわかり,最近話題になっています。 実際フィンランドでは,15年間でむし歯の発生率を80%以上も減らしたという報告があります。 欠点は,上記の効果を期待するには,配合率の高い100%キシリトール入りの食品(チューインガムやグミキャンディーなど)を求めることで,必然的にコストが高くつくことです。 コストを抑えるために20%,30%入りといった食品がありますが,ショ糖,果糖,ぶどう糖などが入っていてはその効果はあまり期待できず,北欧諸国の歯科協会では,含有率50%以上の食品を推奨しています。 もちろん,キシリトールも万能ではありません。いったんできてしまったむし歯を治す効果はありません。やはり日ごろのブラッシングや規則正しい食生活,フッ素の局所応用などを組み合わせた総合的な予防が大切ですね。 |
こどもの歯のコーナー | |
八の字の前歯 | |
6歳のお子さんの上の前歯が生え替わったときに,真ん中にスキ間があるのを心配されていた方がいらっしゃいました。 前の中央の永久歯が生えてきたときにスキ間があるのは,異常ではありません。この一時的な状態をアンデルセン童話にちなんで「みにくいアヒルの子時代」と呼んでいます。つまり,将来キレイな歯並びになるための一段階というわけです。 |
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永久歯の前歯が少し外開きの八の字の状態で生えてくることによるものであり,ほとんどの場合は周りの歯が生えてくると自然に治っていきます。 他に,余分な歯が骨の中にあったり,唇と歯肉を結ぶ小帯が大きすぎるためにスキ間ができることもありますが,極めてまれです。 |