第6話:黄砂に吹かれて

 2枚の写真を見て下さい。

 3月8日(木)の午前10時頃、出かけようと思い駐車場まで車をとりにいったときのことです。

 車全体に黄色い砂がこびりついてドロドロに汚れているではありませんか!本当は黒色の車なのですが・・・・・・(別に、面倒くさがりで長い間車を洗ってないわけではないですよ!)。

 一瞬呆然としましたが、急いで自宅に戻りカメラを持ってきて撮影したものです。同じ駐車場にとめてある他の車もすべてこのような状態になっていました。
 この日は皆さんの家の車も、屋外にとめてあった場合は、そのような汚れがついていてびっくりされたのではないでしょうか。どうして、このような迷惑なことがおこったのでしょうね。


 日本列島が位置する北緯30度付近より北側の地域は偏西風帯と呼ばれていて、上空では、風速が秒速約60m、時には秒速約100mを越えるときもあるような強い西風(偏西風)が、常に吹いているところなのです。

 この風は、日本列島に梅雨などのさまざまな気象現象をもたらしているのですが、春先にこれが原因でおこるものが「黄砂」です。
 「黄砂」とは、中国大陸の内陸部(モンゴルと中国の国境付近)に位置するゴビ砂漠などで砂嵐がさかんにおこる春先に、黄色く細かい土や砂粒が巻き上げられたものがこの強い西風に乗ってはるばる日本上空まで運ばれてきたものです。

 だから春先のこの時期には、「拭き掃除をすると雑巾が黄色くなった」、「雨が降ったあと、車に黄色い砂がこびりついて汚れていた。」などといった現象が見られるのです。


 全国各地の3月7日の夕刊や8日の朝刊をインターネットで調べてみると、東北から北陸地方では「黄色い雪が降った」とか、広島県や岡山県などの瀬戸内地方では「ビル屋上からの景色が黄色くぼんやりかすんでいた」などのニュースが報じられています。

 3月8日の車の汚れの原因は、大阪から2000km以上も離れた中国大陸の砂が、風に乗って飛んできたものだったんですね。風の力ってすごいですね。


 ところで、話は変わりますが、航空機で関西国際空港とアメリカ合衆国第2の都市であるロサンゼルスを往復したとすると、関西国際空港からロサンゼルスへ行くときは約10時間で到着しますが、ロサンゼルスから関西国際空港へ帰ってくるときには約12時間もかかります。

 これも上空を吹く強い西風の影響で、行きは追い風となるためはやく到着するのに比べ、帰りは向かい風になるため、行きよりも約2時間も時間がかかってしまいます。

 風の力は航空機の飛行時間までも変えてしまうのです。